エンドラーズの採集地

生息地はベネズエラ

エンドラーズ・ライブベアラは ベネズエラ（日本の約２．４倍の面積、人口約２６００万人、首都はカラカス、公用語はスペイン語） に生息しています。 そして、現在では３つの地域(Puerto la Cruz, Cumana, Campoma)で採集されています。

下の地図の３つのオレンジのマーカーがそれぞれの採集地域を指しています (ピンポイントで正確な採集地を指しているわけではありません)。 マーカーをクリックするとその採取地域について簡単な説明が表示されます。 また地図の左に表示されているコントロールを利用して、 地図をズーム表示したり移動したりしてみてください。 Puerto la Cruzの一部を除き、 この地域はあまり高精細な衛星写真が登録されていないため今ひとつですが、 それでも採集地をあれこれ想像して楽しめるかもしれません :)

～ エンドラーズの採集地 ～

Campoma

F. N. Poeserらによる論文 「Description of Poecilia (Acanthophacelus) wingei」 (2005年)が発表されたことを受け、 エンドラーズが Poecilia wingei(読み方は「ヴィンゲイ」)という学名で正式に分類されたという ニュース （こちらは訳文) が最近(2006年)広まりました。 ただしこのニュースによると、 「アクアリウム・ストレイン(学術ではなくホビーでの分類)」としてのエンドラーズすべてに P.wingeiという学名が付いたといった話ではないようです。 現時点で P.wingeiに分類されているのは、 F. N. Poeser らが Campoma で採集したエンドラーズ(ライクな魚)である、 Campoma Guppy に対してのみだからです。 他の採集地(Puerto la Cruz と Cumana)のエンドラーズが P.wingeiなのかどうかはわかっていません。 H. J. Alexander と F. Breden のレポート(2004年) には Cumana のエンドラーズ(Cumana Guppyと呼ばれる)は ある地域のグッピーと比較的最近交雑した可能性が高いといったことが記述されているそうです。 そうなると Cumana Guppy はもはや P.wingeiとは言えない可能性が高いのかもしれません。

「Description of Poecilia (Acanthophacelus) wingei」 のp.113 や 「Poecilia (Acanthophacelus) wingei, a true Caribbean gem」 でこの採集地の詳細な情報や写真が見られます。 後者のサイトの採集時の写真を見ているとワクワクしてきてしまうのですが、それは私だけ？ (^^

Campoma Guppy が日本に入ってくる予定はあるのか？ それはいつ頃になるのか？ とても気になるところです。

Puerto la Cruz

2001年にチェコの Dr. Roman Slaboch がここでエンドラーズ(ライクな魚)を採集しました。 衛星写真でいうと採集地はどの辺りなのでしょうか？ |・、・|

彼はこの魚に Poecilia sp. endleri と名付けました。 しかし、正式な発表ではなかったようでほとんど認知されなかったとのことです。 またこの地域の個体を EPLC(Endler's livebearer, Puerto La Cruz の略)と呼ぶ場合もあります。

このエンドラーズについての情報は少ないです。 採集者がチェコ人であるためなのか、日本語はもちろん、英語の情報もあまりありません。 次のサイトが有益そうですが、私にはさっぱりです ヾ(´ー｀)ノ

  1. http://www.akvarium.cz/1899/pages/text/recent/slaboch/p-e/p-e.htm
  2. http://www.akvarium.cz/1899/pages/text/recent/slaboch/venezuela/v2/v2.htm
  3. http://www.afae.it/pages/tematica/biotopi/laguna%20de%20los%20patos.htm (下２枚の写真。上３枚はLaguna de Patos)
  4. S'wiat Dzikich Z.yworo'dek - Poecilia sp. Endleri
  5. Atlas Akwarystyczny - Poecilia endleri [1] [2]
Poecilia sp. endleri
Poecilia sp. Endler's Livebearer, Puerto la Cruz 2001
Photo by 十四山水族館さん

この採集個体の直系がいくつかのショップで販売されていますが、 Laguna de Patos採集個体程は広まっていないようです。 私も実物を見たことがありません。 Cumana の Laguna de Patos で採集された個体と毛色が異なるとのことなので、 機会があったら飼育したいと思っています。

この地域の個体は果たして P.wingei なのでしょうか？

Cumana

エンドラー教授やアーマンド・ポウ氏が採集した地域であり、 採集地として有名な Laguna de Patos や Laguna la Malaguena はこの地域にあります。 上の衛星写真のマーカーでポイントした辺りが Laguna de Patos なのでしょうか？

この地域のエンドラーズを上の２つの地域と区別するために Cumana Guppy と呼ぶことがあります。

この採集地については以下のサイトが参考になると思います。

  1. Newcomb's Endler's Livebearer Pages
  2. エンドラ爺のエンドラーズ・カフェ ～ エンドラーズ採集地-記憶
  3. fmhksのひとりごと ～ Laguna de Patos と Laguna de Los/los Patos の違いは？
  4. Die Wasserwelt - Endler's Guppys - Laguna de Patos, Cumana
  5. H. J. Alexander と F. Breden のレポート
ELDP Black Peacock Poecilia sp. Endler's Livebearer
Laguna de Patos 97-98
(Type Black Peacock)

採集地なんて地元の人に聞けばわかるだろうから(←スペイン語わからないのにどうやってきく？) チャンスがあったら「ぶらり途中下車の旅」感覚で行ってみようかななんて思っていました(笑)。 地図をみるとそんな簡単なことではなさそうですし、 わかったとしても採集地に行くのはそれなりの準備が必要でたいへんそうですね (^^;

謝辞

ここに書いたことの多くは、 Taikoさん に教えてもらったこと、 エンドラ爺のエンドラーズ・カフェ で勉強させてもらったことです。お二人に感謝いたします。 また、いつもエンドラーズについてお話を聞かせて下さり、 EPLCの写真を提供して頂いた 十四山水族館さんにも感謝致します。

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